episode27 M君からの電話

みなさん、こんばんは。
みなさんは怖い話はお好きですか?
このブログでは、私Cozyが体験した恐怖体験、不思議な体験話。
そして私自身があまりのポンコツで在るが故にしでかした数多くのあり得ないほどの失敗談を書いております。

今日のお話は、今から12~13年くらい前のことになります。
当時は、今とは違う会社でトレーラーに乗っていて、首都高の山手トンネルの工事や渋谷の地下鉄の工事(のりぴーが覚醒剤取締法違反で捕まった頃で、渋谷警察署前の現場は連日マスコミが待ち構えていました)、丸の内付近の再開発工事など24時間作業している現場が重なり昼夜を問わず動いていました。
夕方積み込みから翌朝6時着、下ろして積み込みに入って次は17時着、下ろして積み込みに入って29時着(?)。
なんて殺人的な工程での仕事で、”あれ?今日は何曜日だっけ?あれ?いつ寝たっけ?あれ?次はいつ寝れるの?”なんていう感じで、時代遅れの”24時間働けますか?”でした。

そんな激務が続いたある日のこと。
どこの現場だったかは忘れてしまいましたが、深夜に高層ビル用のコンクリート外壁を下ろして、使っていた資材を車庫に置きに行くため会社に向かっているとふいに携帯電話が鳴り出しました。
その電話の発信主は、同じ現場で僕より先に下ろし終えたM君からでした。
当時普及し始めたBluetoothを接続して「お疲れさん!どうしたの?」と電話に出ました。
すると彼は「Cozyさん、ちょっと聞いていてくれます?」と、何だかいつもの彼のテンションではなかったので、話を聞いてみると、どうやら会社まであと10数㎞くらいの所まで戻っていたらしいのですが、深夜の田舎道で県道とはいえ車はおろか、人が歩いているような時間帯ではありません。(今と違って、当時は深夜にジョギングやウォーキングをしている人を見かけることはありませんでした。)
ある手押し式の信号の数百メートル手前。
前方の信号は青で、特に速度を緩めずに走っていたところ、信号機の左手、歩行者用の信号機の下に人がいることに気づいたそうです。
その手押し式の信号は街灯が横断歩道を照らしていて、彼は”こんな時間に出歩く人がいるんだなあ”なんて思ったそうですが、その人は信号を見ていないのか突然、横断歩道を渡り始めたというんです。
彼は”危ない!轢いてしまう!”と思いライトをハイビームに切り替え、クラクションを鳴らしながら急ブレーキをかけたらしいのですが・・・こちらはトレーラーですから、乗用車のようには止まりません。
M君は前方を直視し、万が一の場合その人を轢かないよう、ハンドルをどちらに切るかを見極めようとしました。
ですが、その人影の歩調はかなり遅かったのでハンドルを右に切ろうとした時、ライトに照らし出された人が、腰の曲がったおばあさんだと理解した瞬間、目の前で…消えたそうです。
一瞬、おばあさんを轢いてしまったのかと思ったそうですが、衝撃が全くなかったことから、あれは幽霊だったんだと気づき、さらに違う恐怖が湧いてきて体がガタガタ震え始めたと。
この恐怖を誰かに伝えたくて、僕に電話してきたとのことだったので、彼の気持ちが落ち着けるよう話を聞きました。
しばらく話して落ち着きを取り戻したM君。
「話を聞いてくれて、ありがとうございました」
とお礼を言われ、電話を切ろうとすると彼は「この後、Cozyさんも同じ道を通るのだから気をつけてくださいね!」と、嬉しくないアドバイスをくれました。
幸い、僕はそのおばあさんを見ずにいつものようにその信号を通過しましたが、その時ふと気づいたことがありました。
その手押し式の信号には、以前は横断歩道を照らす街灯はなかったはずなんですが、いつの間にか設置されていたようです。
その彼が見たおばあさんが事故に遭ったことで、そうなったかどうかは解りません…

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました…

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